レッジョでは子どもひとりひとりが主役

レッジョアプローチではひとりひとりの子どもの個性を何よりも尊重します。子どもが100人いれば100通りの考えが、そして100通りの表現の仕方があると考えます。100の言葉と100の発見と100の夢・・・それ肯定するのが教育のあるべき姿。それなのに、それを否定してしまうのが従来の学校教育。

ここアメリカで”トラディッショナル”と呼ばれる昔からの教育法では、先生が教壇に立ち、子ども達は大人が作ったカリキュラムに沿って学習します。レッジョではその反対に生徒が主体となり、グループワークなどを通し、自らが答えを導くことに重点が置かれます。先生は子ども達の興味を引き出し、子どもとの対話を通し、一緒に”学んでいく”という役割。レッジョでは答えを教えるのではなく、答えを導く方法を教えるのです。どちらかというとコーチングというイメージに近いかもしれません。

全ての子どもは知性があり有能、創造的、独創性に富んだ価値のある個性

そこで重要となるのが、レッジョアプローチにおける子どもの存在です。レッジョでは、全ての子供たちは、知性があり有能で、創造的で、独創性に富み、ひとりひとりが価値のある個性”だととらえます。例え2歳児でもです。子どもは生まれながらにして素晴らしい能力を持ち備えているのですから。

もし私達大人が子どもに対して持つイメージが、”何も分からない、何も知らない、全てを教えてあげなければいけない小さな存在”であったとしたらどうでしょう?

あなたは自分の子どもに対し一体どういうイメージを持ち、接していますか?自分が抱く子どものイメージにより、子どもの可能性を信じる力が変わってくると思いませんか。

レッジョの創始者であるローリス・マラグッツィの詩を紹介します。この詩がレッジョアプローチの根幹になっています。そう、子ども達には100の言葉があるのです。そして、その声を聞くか聞かないかは、私達次第なのです。

Mutsumi Paterson //Los Angeles

(ムツミ・パタソン/ロサンゼルス)

子ども達の100の言葉

子どもには百とおりある。

子どもには百のことば 百の手 百の考え 百の考え方 遊び方や話し方
百いつでも百の 聞き方 驚き方 愛し方 歌ったり 理解するのに 百の喜び
発見するのに 百の世界 発明するのに 百の世界 夢見るのに 百の世界がある。
子どもには 百のことばがある(それからもっともっともっと)
けれど九十九は奪われる。
学校や文化が 頭とからだをバラバラにする。
そして子どもにいう 手を使わずに考えなさい 頭を使わずにやりなさい
話さずに聞きなさい ふざけずに理解しなさい
愛したり驚いたりは 復活祭とクリスマスだけ。
そして子どもにいう 目の前にある世界を発見しなさい
そして百のうち 九十九を奪ってしまう。
そして子どもにいう 遊びと仕事 現実と空想 科学と想像 空と大地 道理と夢は
一緒にはならないものだと。

つまり 百なんかないという。 子どもはいう でも、百はある。

ローリス・マラグッツィ

(田辺敬子訳)

The Hundred Languages

No way. The hundred is there.

The child

is made of one hundred.

The child has

a hundred languages

a hundred hands

a hundred thoughts

a hundred ways of thinking

of playing, of speaking.

A hundred always a hundred

ways of listening

of marveling, of loving

a hundred joys

for singing and understanding

a hundred worlds

to discover

a hundred worlds

to invent

a hundred worlds

to dream.

The child has

a hundred languages

(and a hundred hundred hundred more)

but they steal ninety-nine.

The school and the culture

separate the head from the body.

They tell the child:

to think without hands

to do without head

to listen and not to speak

to understand without joy

to love and to marvel

only at Easter and at Christmas.

They tell the child:

to discover the world already there

and of the hundred

they steal ninety-nine.

They tell the child:

that work and play

reality and fantasy

science and imagination

sky and earth

reason and dream

are things

that do not belong together.

And thus they tell the child

that the hundred is not there.

The child says:

No way. The hundred is there.

—Loris Malaguzzi, Founder of the Reggio Emilia Approach

(Translated by Lella Gandini)