砂場は学びの場

私が独身の頃、つまり幼児教育など蚊帳の外だった頃から大好きだった本があります。1988年にアメリカで出版された、ロバート・フルガムの「人生に必要な知恵はすべて幼稚園で学んだ」という本。

どこの幼稚園でもやっていそうなことだけれど、最後の「ねぇ、見て!」という子どもの言葉を汲み取っている大人はどれだけいるのでしょうか。私の子ども達も公園の砂場で私にひっきりなしに何かを伝えに来ます。

Look Mommy! I have a truck! (ママ見て!僕のトラックだよ!)”

” Look! I made you a cake!(見て!ママにケーキ作ったの!)

砂場に子ども達を連れて行きほっと一息、携帯でもチェックしたいのが本心ではあるのですが、ここで子どもの純真な気持ちをへし折るわけにはいきません。

I see you have a yellow truck! Is yellow your favorite color?(黄色いトラックだぁ。黄色好きかな?)”

Oh, was it my birthday? Thank  you so much! (今日ママ誕生日だったっけ、ありがとう!)”

そんな返事をすると子ども達がどんどんストーリーを膨らませてくれます。

Mommy, I have a good idea- maybe we find some candles to put on the cake?(ねぇママ、私アイデアがあるの!ケーキに差すろうそくを探すのはどう?

そして小枝探しにいそしむ子ども達・・・。そして私は

Ok, let’s count the candles(じゃあろうそくの数をかぞえようね)”

”Maybe you can spell ‘mama’ with the sticks(小枝でママって書いてみようよ)”

などと言いつつ数を数える練習をしたり、小枝を並べて文字の練習をしたり・・・。

子どもの遊びを実体験につなげる

育児は忙しさの連続なので私もいつもいつもできるわけではありません。でもできる限り、私は子どもの遊びでの体験を実体験に重ねるよう心がけていいます。例えばこの砂場遊びの後に、もし黄色いトラックを見かけたら大騒ぎして子どもに教え、一緒に大喜びする。ケーキ屋さんに連れていき様々なケーキを見て、一切れだけでいいからケーキを買い、一本だけでいいからキャンドルを差し、どれだけ砂場のケーキが嬉しかったかをもう一度話すこと。できたら簡単なものでいいから子どもと一緒にケーキを焼くこと。どれも小さなことだけど、大人がいないとできないこと。私の役割はそこかなと思います。

レッジョ・エミリア アプローチにおける大人の役割は子どもの興味を引き出すこと。それは子どもを観察することから始まります。そしてそこから子どもの興味を汲み取ったり、子どもの感情を活かし伸ばしていく。

砂場で遊ぶばせることは誰でもできます。でもちょっとしたやり取りで子どもの中で芽生えた好奇心を伸ばすことができます。そして何よりも重要なこと。それは子ども達の「ねぇ、見て!」を見逃さないこと

Mutsumi Paterson // Los Angeles

ムツミ・パタソン(ロサンゼルス)

 

人生に必要な知恵はすべて幼稚園で学んだ -ロバート・フルガム

いかに生きるか、何をすべきか、ほんとうに大事なことはすべて幼稚園で学んだ。本当の知恵は大学院ではなく、幼稚園の砂場にある。

1. 何でもみんなで分け合うこと。

2. ずるをしないこと。

3. 人をぶたないこと。

4. 使ったものはかならずもとのところに戻すこと。

5. ちらかしたら自分で後片づけをすること。

6. 人のものに手を出さないこと。

7. 誰かを傷つけたら、ごめんなさい、と言うこと。

8. 食事の前には手を洗うこと。

9. トイレに行ったらちゃんと水を流すこと。

10. 焼きたてのクッキーと冷たいミルクは体にいい。

11. バランスの取れた生活をすること−毎日、少し勉強し、少し考え、少し絵を描き、歌い、踊り、遊び、そして、少し働くこと。

12. 毎日かならず昼寝をすること。

13. おもてに出るときは車に気をつけ、手をつないで、はなればなれにならないようにすること。

14. 不思議だな、と思う気持ちを大切にすること。カップにまいた小さな種のことをわすれないように。種から芽が出て、根が伸びて、草花が育つ。どうしてしてそんなことが起きるのか、本当のところは誰も知らない。でも、人間だっておんなじだ。

15. 金魚も、ハムスターも、ハツカネズミも、カップにまいた小さな種さえも。いつかは死ぬ。人間も死から逃れることはできない。

16. 子どもの本で最初に覚えた言葉を思い出そう。何より大切な意味を持つ言葉。「ねぇ、見て!」

“These are the things I learned (in Kindergarten):

  1. Share everything.
  2. Play fair.
  3. Don’t hit people.
  4. Put things back where you found them.
  5. CLEAN UP YOUR OWN MESS.
  6. Don’t take things that aren’t yours.
  7. Say you’re SORRY when you HURT somebody.
  8. Wash your hands before you eat.
  9. Flush.
  10. Warm cookies and cold milk are good for you.
  11. Live a balanced life – learn some and drink some and draw some and paint some and sing and dance and play and work everyday some.
  12. Take a nap every afternoon.
  13. When you go out into the world, watch out for traffic, hold hands, and stick together.
  14. Be aware of wonder. Remember the little seed in the Styrofoam cup: The roots go down and the plant goes up and nobody really knows how or why, but we are all like that.
  15. Goldfish and hamster and white mice and even the little seed in the Styrofoam cup – they all die. So do we.
  16. And then remember the Dick-and-Jane books and the first word you learned – the biggest word of all – LOOK.”

Robert Fulghum, All I Really Need to Know I Learned in Kindergarten


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