世界で一番有名な日本の幼稚園とは

日本と言えば、先進国の中でも幼児教育に関してはずいぶん遅れをとっているのが事実です。しかし実は、世界的に有名になった日本の幼稚園があります。

しばらく前にみなさんもFacebookなどSNSでご覧になったかもしれませんが、こちらの動画にある大きな楕円形の屋根を持った園舎で有名な「ふじ幼稚園」がそれです。

この幼稚園は、建築家の手塚貴晴氏によって2007年に東京都立川市に建てられました。佐藤可士和さんがプロデュース。この楕円形の屋上の上を600人の園児が走っているんですから、非常に印象的ですよね。これでSNSでも火が付いて、私も海外の友人がシェアしているのを目にして知りました。まさに情報の逆輸入です。(笑)

「子供の育ちで一番肝心なことは幼児期にある」

この動画がきっかけで、「ふじようちえん」について知りたいと思い、園長の加藤積一さんが書いた著書「ふじようちえんのひみつ」(小学館)を読んでみました。

ふじようちえんは、現在の園長の加藤さんのお父様が1971年に開園した幼稚園。実は、当時は珍しかったイタリアの教育法「モンテッソーリ」をいち早く取り入れた園でもあります。ふじようちえんを開園された加藤さんのお父様は、

「いっぱい暗記してテストでいい点数をとっても、実社会で役に立たない人間はたくさんいる。これからは点数だけにたよらない教育が必要だ。」

と言って、モンテッソーリを早々に取り入れたそうです。現代になってそのような教育が必要だと言われるようになりましたが、当時からこのような考えを持っていたのは非常に先見の明があるように思います。パイオニアはいつの時代も、常識を破る発想力と行動力が不可欠です。

そして最初の園長先生として招き入れたのが、当時の立川小学校の校長先生。面白いことにこの校長先生は、長年に渡り多くの小学生の成長過程を見てきた中から、

「子供の育ちで一番肝心なことは、小学校に入る前の幼児期にあるはずだ」

と確信していたそうです。熟練の小学校の校長先生がそう言うからには、今叫ばれている「幼児教育の重要さ」はやはり無視できないでしょう。

モンテッソーリ教育”子供は生まれながらにして自分で学ぶ力を持っている”

園長の加藤さんが保護者の方に「モンテッソーリって何ですか?」と聞かれた時に、分かりやすくこう答えるそうです。

「それぞれの子供の中にある、自ら育とうとする力を十分に発揮させてあげる教育です。」

また、この教育法を確立したマリア・モンテッソーリは、研究を通して「子供は自らを成長発達させる力を持って生まれてくる」という結論に至ったそうです。

「子供は何もできない存在だから、大人が教え込む」という考えではなく、「生まれながらにして、様々なことを吸収する力を持っている存在」であるととらえます。

そして、子供たちが本来持っているこの”自ら育とうとする力”を伸ばすためには、下記の4つのプロセスが欠かせないそうです。

「自由に選ぶ」

「選んだことを繰り返しする」

「そのことに集中する」

「達成感・充実感を持ち、能力の引き出された状態になる」

これを見て、モンテッソーリの幼稚園に限らす自由保育の幼稚園でも、この「自分で学ぶ力」を育むことは可能だと思いました。私の娘は自由保育の幼稚園に通っていますが、まさにこの4つのプロセスを日々繰り返しています。
自分の好きな遊びを選び、それに一日中集中して取り組む。ものづくりの大好きなうちの娘は、毎日大量の工作物を抱えて帰ってきます。そして家でもまだ創作活動が続く。。

とはいえ、「ふじようちえんのひみつ」という本を読んで、世界で一番有名になった日本の幼稚園は、建築という見せかけだけでなく、教育の中身も注目に価するものだと初めて知りました。
こんな幼稚園が、日本にもっと増えればいいのにと願ってやみません。

Yoshimi Ueda // Tokyo

上田佳美/東京

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