ディズニー流 感動を生む企画の秘密」の著者・大畠崇央さんに、子供たちに将来求められる「プロデュース力」についてインタビューをしました。インタビュー内容は前編と後編に分けてお送りします。

子供たちに必要な“プロデューサー”としての能力

 

以前のブログ「子供たちに必要なのはプロデューサーとしての能力」でも触れましたが、アメリカで話題になった教育ドキュメンタリー映画「Most Likely To Succeed」は、私たちがそれまで信じて疑わなかった今の”学校教育”について大きな疑問を投げかけ、反響を呼びました。

我々の子供たちは、ITやテクノロジーの進化が加速しAIとも共存する未来に生きます。働き方も今と大きく変わり、企業に属さず個人でプロジェクトを立ち上げ自分で仕事を作っていく人が多く現れると言われています。むしろ、自分で仕事を作れないと生きていけない時代になるのです。

そこで必要になってくるのが「プロデューサー」としての能力です。

ディズニーの秘密の社内研修「Disney University」

 

私は20代の時にディズニー・ジャパンでモバイルコンテンツのプロデューサーとして働いていましたが、当時ディズニーで新人社員向けに行っていた社内研修「Disney University」を受けたことがあります。この研修では、ミッキーを始めとするキャラクターの使用に関するルールや、徹底されたディズニーの世界観について勉強します。そして、プロデューサー職に就く社員は、ディズニー流のプロデューサーとしてのノウハウも学ぶことができました。

この研修を取り仕切り教育担当をしていた当時の上司、大畠崇央さんは「ディズニー流 感動を生む企画の秘密」の著者でもあります。
大畠さんに「プロデューサーに求められる能力」について、お話を伺いました。

プロデューサーとは“世の中にまだないものを作り出す人”

 

ディズニーで数々の優秀なプロデューサーを育て、自身もディズニーでトッププロデューサーだった大畠さん曰く、プロデューサーとは「世の中にまだないものを作り出す人」のこと。ディズニーには、Imagination(発想力)とEngineering(実現する力)を合わせた「Imagineering」という言葉がありますが、これがまさに「世の中にまだないものを作り出す」こと。ディズニーランドのアトラクションを企画・開発する選び抜かれたクリエイター集団が所属する「Disney Imagineering」と呼ばれる部署もあります。彼らをはじめ、プロデューサーたちに求められることは、単に「発想」するだけではなく、それを「実現する力」の両方なのだと考えているのです。

一番必要なのは「伝える力」

 

大畠さん曰く、“世の中にまだないものを作り出す”ためにまず必要なのは「自分の考えを伝える力」。ウォルト・ディズニーが当時「ディズニーランドを作る」という壮大な構想を打ち出した時も、彼の「伝える力」があったからこそ実現したそうです。ウォルトはディズニーランドの構想を練るなり、あるアーティストに声をかけて、自分のアイディアを1枚の地図にまとめて描きあげたそうです。そしてそれを持って銀行でプレゼンをし、大型出資を獲得しました。もちろん、ウォルトの絵が素晴らしかったから出資を獲得できたのではありません。(そんなことで融資してくれる銀行はないでしょう。。)ディズニーランドが他のアミューズメントパークと何が違うのか、ディズニーランドの何がすごいのか、そう言ったことを分かりやすく噛み砕き魅力的に伝えたからだと言えます。

もともと、ウォルトはチームにアイディアを分かりやすく伝えるということに力をそそぎ、例えばアニメを作るときには社内のアニメーターを集めてアイディアをストーリーボード(日本で言う絵コンテ)に落とし込みました。それも4コマ漫画400本程の量。それを用いてチーム全員にどんな物語を作りたいのかを伝えていき、共有して同じ方向性を見るチームを作り出していったのです。

企画は決して一人だけでは完結できない

 

このように、いいアイディアがあっても、それを「分かりやすく」、「正確に」、「魅力的に」伝えることができなくては、賛同者を集められず企画は進みません。どんな企画も自分一人だけで完結できるものはありません。周りの人の協力が不可欠で、協力を得るためには、「伝える力」が必要になるということです。

それでは次回の後編では、子供たちが「プロデュース力」を養うためにお家でできる具体策についてお伝えします。

Yoshimi Ueda // Tokyo

上田佳美/東京

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