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2019.01.11

フィンランドの学校教育が日本の子供たちの未来を救う

Category 海外の教育

Tags こどものためにできること幼児教育受験子供子ども学校



世界トップの学力− フィンランドの教育法とは?」でもご紹介していますが、マイケル・ムーア監督のドキュメンタリー映画「Where do we invade next」で特集されているように、フィンランドの教育の質は世界が認めています。

実はそのフィンランドがさらにパワーアップしたという噂を聞きつけ、在日フィンランド大使館の参事官、マルコス・コッコさんに直接お話を伺ってみました。

フィンランドの学校の秘密①:テーマ別教育により未来で必要とされる能力を育む

既に世界トップの教育を誇るフィンランドですが、さらなる教育改革が昨年より導入されました。それは、「テーマ別教育(phenomenon-based learning)」。

「テーマ別教育(phenomenon-based learning)」とは
新カリキュラムでは、複数の教科にまたがった横断的な教育を行う時間を最低でも1回設けることを義務付けています。「地球温暖化」や「欧州連合」といったテーマを、数週間にわたるひとつのプロジェクトとして学ぶことになります。

まさにここに学びの本質があると思います。日本の教育システムだと「何のために今これを勉強しているのか」が子供たちは分からなくなります。この「テーマ別教育」のように一つの事象に多角的にアプローチして初めて、自分たちが生きている社会と学校の勉強がどう結びついているか分かるのではないでしょうか。

「世界は常に変わっています。それに合わせて学校や学習法も変わらなくてはなりません」(フィンランド外務省)

「テーマ別教育」については、在日フィンランド大使館が日本語の記事を出しています。⇨こちら

フィンランドの学校の秘密②:授業数も少なく宿題がほとんどない

フィンランドの学校の授業数が少ないことは有名です。日本の文部科学省も、義務教育の授業時間数について下記のように述べています。

国際的に授業時間が少ないフィンランドの子どもたちが高い水準の読解力等を有するといった結果が出ている。学力の水準には様々な要因が関連していると考えられるが、その中で授業時間と学力の水準との間の因果関係は必ずしも明らかではないことを踏まえる必要がある。

私立小学校の勉強と生活」によると、私立小学校では小学校1-2年生は1日20-23コマ授業ですが、小学校3年生以降は週29-30コマが一般的です。
そして、私が問題だと思うのは、とにかく宿題が多いこと。

それから、ちょっと辛いかも!って思うぐらいに宿題が出ます。それも、毎日です。
通学に1時間程度掛かると、家に帰ってから遊ぶ時間が無くなるほどです。なお、定期的なテストは、必ず実施されます。(「私立小学校の勉強と生活」より)

私も都内の私立女子校に小学校から通っていましたが、学校のある日は家に帰って宿題しかしていませんでした。というより、宿題以外をした記憶がありません。私立小学校には遠方から通う生徒が多いので、地元の友達もほとんどいませんでしたし、家に帰ると夕飯まで宿題をし、夕飯を食べて寝るという、ある意味規則正しいですが子供としては可哀想にも見える生活をしていました。(当時はもちろんそれが当然のことだと思い特にいやではありませんでしたが。)

2020年は教育革命と言われていますが、プログラミングや英語を取り入れるだけでなく、根本的な改革が必要だと思います。

フィンランドの学校③:受験がないから全ての教科を満遍なく学ぶ

フィンランドには私立学校がほぼ存在せず、さらに公立学校のレベルは政府により統一されています。そのため、「受験」という文化がありません。つまり、音楽や美術の授業も、数学や理科と変わらず重要と位置づけられ、小学校から高校までずっと学んでいきます

それに対して日本は、高校になると進学校の多くは受験に必要ない科目は受講できなくなります。私も美術を学んだのは中学生が最後。受験に使わなかった日本史も中3以降学ぶことはありませんでした。この状況は、子供たちに教育をしてるのではなく、子供たちから大切なものを奪っています。

日本の小学校・中学校・大学に渡る”受験戦争”のことをマルコスさんに話すと、それは子供にとって本当に厳しい環境だと驚いていました。フィンランドの教育の話を聞いて、日本の子供たちは「受験」を通して多くのことを失っているように思いました。特に、子供たちの多くが今存在しない仕事をすると言われる20年後の未来では、日本の子供たちが受験を通して身につける知識や思考方法は、本当に本当に必要とされないのです。多感な幼少期と思春期は、受験勉強ではない「体験に基づく学び」が、子供たちが未来を生き抜くために必要不可欠ではないでしょうか。

Yoshimi Ueda // Tokyo

上田佳美/東京

Photo Resource: Andreas Meichsner/Verstas

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