レッジョ・エミリア教育を我が子と共に始めてすぐの頃は、クラスルームを訪れる度に溢れるアートに目を奪われて、私からの先生への質問もアートやアクテイビティというような、目に見える部分が多かったような記憶があります。ところがレッジョアプローチを長く知るようになり、レッジョがいかに子どもの「感情の発育」に重点を置いているかが分かるようになってきました。ある日4歳の娘が学校帰りに “What emotions are you in? と聞いてきて私を驚かせませした。2歳の息子も、よく私に “Are you happy?” “Are you sad?” と聞いてきます。今回Kodomo-Eduサマーキャンプで初来日となるスライヤ先生も、emotional intelligenceに重点を起き、クラスでemotions (感情) についてたくさん話をしているようです。

まずは自分の感情に気づくこと

子どもが豊かな感情を発達させていくには、さまざまな感情を知ることから始まります。まず第一歩は自分の感情に気づくこと。怒っている子どもや泣いている子どもに「やめなさい」と言ってもほぼ無意味です。 “Oh I see you are upset” “I see you are feeling sad” などの言葉がけをすることで、 子どもは人間として様々な感情があるんだということを理解します。そしてどんな感情を持つことも、人間として自然なことだと伝えます。大人だって怒るし悲しむ。感情を否定することはしません。

そして相手にも感情があるということに気づくこと

大人から見ると”問題行動”ととれるような行為、例えば物を投げたり人を叩いたり。私は毎週レッジョの学校で先生達と子どものやり取りを勉強させてもらっていますが、先生達は子どもの行動を画一的に否定することはしません。もちろん叩くことはだめなことですから”それはだめなことだよ”と伝えます。ただその奥に、「なぜこの子は叩きたくなったのか」を観察し、その引き金となる行動が解消されるような投げかけをしたり、もし叩くことという行為そのものに興味を持っているなら、風船など他に叩いてもいいものを与えます。この時、叩きたかった自分の感情と、叩かれた相手の感情を話します。叩かれた方の子どもには、もしまた叩かれたらどうすればよいかを教えます。この時、やはり叩かれた自分の感情、そして叩いた相手の双方の感情を話すことにより、他の人にも感情があるんだという気づきにつながります

自分の感情をコントロールし、他の人とうまく関われるようにするには?

そして次のステップでは、強い感情、例えば自分が怒りの感情を持った時にはどう対処すればよいかを考えます。「嫌な思いをしたんだね」「あれが使いたかったけど今は使えなかったことが嫌だったんだね」、そして「じゃあ次はどうすればいいと思う?」。このロールプレイが大切なのです。そして子どもが子どもなりの言葉を使い、どうすればよいかを話すその過程を経ることで、次はどうすればよいかを自ら思いつくようです。大人だって強い感情を調整するのは難しいこと。深呼吸したり、気持ちが落ち着くまでは他の子どもとは離れたり・・・色々な具体的な方法を考え試します。小さな子ども達はまだ感情を言葉で上手に伝えることができません。それゆえ、ここで感情を見つめ直さないとネガティブな気持ちを自分の中に抱え込んだまま、悩み続けることになってしまうのです。

If it’s mention-able, it’s manageable 言葉にできれば、コントールできる

これはDaniel Tiger’s Neighborhoodというアニメーションを作ったMr. Rogersによるスピーチです。彼が作り出すストーリには、子どもが強い感情を持った時にはどうすれば良いのかのヒントがたくさん詰まっています。そしてこのスピーチの5分過ぎをぜひご覧ください。子どもにだって大人と同じく感情があります。それを表現する言葉と知識がまだないだけ。それゆえ、親や先生が子どもの感情を一緒に紐解くことが大事なのです。

 

May 1, 1969: Fred Rogers testifies before the Senate Subcommittee on Communications

Mutsumi Patesron(Los Angeles)

ムツミ・パタソン(ロサンゼルス)

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