まずは体で表現し想像する

先日、映画「ミニオンズ」シリーズのストーリーボードアーティストを講師に招いて、子供達に映画作りの一部を体験してもらいました。子供達は緊張した面持ちで入室していましたが、ミニオンの話を投げかけると一気に場が和み、「映画見た!」「ボブ大好き!」と元気よく発言し始めました。
今回の講師、ジェロッド・チリコ先生は、ユニバーサルスタジオの現役ストーリーボードアーティスト。先生がみんなの前でミニオンを描き始めると、机に座って作業することにあまり慣れていない幼稚園生でも、長時間ずっと集中して先生のお手本を見ながらミニオンを描き続けていました。「好きな物」「好きな事」に触れている時、子供のモードは一気に変わることを目の当たりにしました。

アメリカのアニメーションスタジオでもよく実践していますが、クリエーター達は実践に描く前の最初のステップとして、まず自分が”描く物”になりきってみます。例えば、「消防士」を描くなら、まず「消防士」を1日でも疑似体験してみるのです。今回ミニオンは実在しないキャラクターなので、ミニオン変身グッズを使い、子供達に実際のミニオンの話し方や動き方を実践してもらいました。

そしてその後、実際に描き始める前にみんなで目をつぶって、自分が描きたいミニオンはどんなミニオンか?何を追いかけているか?誰と話をしているか?などを想像してみました。描く前のこの一連のステップによって、描く対象物に魂が吹き込まれるんだなとハリウッドメソッドに関心しました。

プロの描き方をとにかく真似る

そして実際にミニオンを描いてみました。どんな事でもそうですが、まずプロの作品を”真似る”事から芸術家はスタートします。プロを完璧に真似ることができて、初めて自分の作品を最高のものに仕立てあげる事ができるともよく言われます。
ジェロッド先生が描き始めると、みんな黒板に釘付け。とにかく上手に描きたいという気持ちが伝わってきました。描いた後はみんな自信を持って見せてくれました。

ストーリーボードを書こう!

そして実際のストーリーボードを描いてみました。ストーリーボードとは一連の動きを1つ1つのシーンに分けたものです。パラパラ漫画を想像して頂くと分かりやすいです。子供達は自分の担当のストーリーボードに、そのシーンに合ったミニオンを描いていきます。

これをまとめて繋げると、アニメーションができます。

一番大事なのはチームワーク

実際の授業では、ストーリーボードを繋げて作ったアニメーションに、音を入れました。ミニオンになりきって話したり、走っている音を自分たちで作ったりし、音を収録。みんな自分たちが作った初めての映像にとにかく大興奮でした。

子供達がもう一つ学んだ事。それは「チームワーク」。初めて出会う先生、初めて出会うお友達、初めて入る教室で、周りとコミュニケーションを取りながら一緒に物作りをするというのは、まだ幼稚園や小学校低学年には簡単な事ではありません。でもみんな、”ミニオンを上手に描きたい”、”ママとパパにすごい物を見せたい”という共通の思いで、最後には一丸となって作品を完成させました。
素晴らしい先生との出会い、他にない貴重な機会は、子供達の記憶に焼きついてくれればと思います。

Yoshimi Ueda // Tokyo

上田佳美/東京

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