子ども達は本物に触れるべき

レッジョ・エミリアアプローチの大きな特徴のひとつが、多種多様の素材を使ったアートプログラムです。レッジョ・エミリアアプローチのルーツにもなっている、世界の新教育運動をリードしたジョン・デューイ(John Dewey,1859-1952)はこう言っています。

Children learn from real work. Children need to use real materials. (子ども達は実際の体験から学ぶ。子ども達は本物のマテリアルを使うべきだ)

レッジョのクラスルームで本物の材料を使うのはなぜでしょう。それは子ども達が持つ無限の可能性を制限しないようにするためです。例えば子ども用の筆だと、細部に渡って描くことができません。もし赤と青と黄色の絵の具しかなければ、子ども達が本当に表現したい色が出せません。子ども達が持つ素晴らしい能力を最大限に活かすために、レッジョアプローチでは本物の素材を使うのです。

 

こどものためにできること

私が親としてできることは何かと常に考えます。残念ながら私は画家でも音楽家でもない・・・でも本物の芸術が持つ美しさやその力は知っています。私にできることは”子どもが本物のアートに触れる機会”をなるべく多く作ることかなと思うのです。そしてそれは幼稚園やチャイルドケアには頼れないところ。親がやらなければ誰もやってくれません

そんな折、先日マイケル・スペンサーとジャパンフィルハーモニックオーケストラが子ども達のために行うワークショップに参加してきました。その名も「音楽たんけん団」。マイケル・スペンサー氏はジャパンフィルのコミュニケーションディレクターで音楽ワークショップのプロ。今回のテーマは秋にちなんでHarvest(収穫)。ヴィヴァルディの四季の”秋”をジャパンフィルが演奏し、マイケル・スペンサー氏とともに子ども達がそのストーリーを探検していくというなんとも贅沢な時間でした。

その帰り道、電車我が子が大きな楽器を抱えた人を見つけ、 ‘Is it a double bass?’ (あれコントラバス?)と聞いてきました。“Hmm..it seems a little smaller than a double bass, might be cello?”(コントラバスよりも小さいかも。チェロかな?)こんな会話ができるのも、楽器を実際に見てその音を聴くという実体験があったからこそ。きっと、バイオリンとチェロとコントラバスの違いを説明しても子どもって興味を持たない。

本物の体験をすることで、子ども達の好奇心や探究心が刺激されるのです。

Mutsumi Paterosn

ムツミ・パタソン

【おすすめ記事】

レッジョ・エミリアアプローチで幼児期に身につけた発想力は一生の宝物

レッジョ・エミリアアプローチにおけるアートの役割