子どもの可能性を信じることが大切

モンテッソーリ教育は日本でも有名ですが、その創始者のマリア・モンテッソーリの哲学はレッジョ・エミリアの哲学のルーツにもなっています。

モンテッソーリ教育の基本は「子どもは、自らを成長・発達させる力をもって生まれてくる。 大人(親や教師)は、その要求を汲み取り、自由を保障し、子どもたちの自発的な活動を援助する存在に徹しなければならない」ですが、これはレッジョ・エミリアアプローチの「子どもが持つそれぞれの個性や意思を尊重し、個々の感性を活かす」という理念につながります。このどちらもイタリアで生まれた二つの教育法、アプローチ法が異なりますが、どちらも子どもの可能性を信じることが大きな鍵となっています。

レッジョ・エミリアの教室そしてモンテッソーリ、どちらも先生や大人の声がけが他とは違うなと思うことが多々あります。アメリカのモンテッソーリ教育者の記事を見つたので紹介したいと思います。では具体的にどのような言葉が使われるかみていきましょう。

英語で読みたい方はこちらをどうぞ

7 Key phrases Montessori teachers use, and why we should use them too

 

1. “I saw you working hard.” とってもよくがんばっているね

モンテッソーリ教育では最終的なプロダクトよりもそれを作り出す過程を大切にします。子ども達が作ったり仕上げたものに対し、“good work(よくできたね) とか “your work is beautiful(とても上手ね)と単に最終形を褒めるのではなく、例えば”とても長い間集中できたね”、”とても丁寧に書いたので誰が見ても読めるね”、などと具体的なことを褒めます。

結果よりも子ども達が頑張ったその過程を褒めることにより、子どもは「努力すればもっといいものができる」というマインドセットになるのです。

子どもに“You’re a good boy,(とてもいい子ね)” と言うよりも、“I noticed you being kind to your little brother yesterday when you shared your truck.(弟に親切にしているのを気づいたわ。昨日弟にトラックのおもちゃを貸してあげていたね”という言葉がけをすることにより、大人がジャッジメントなしに子どもの良い行動を見ているということを伝えることができます。“You’re such a good artist,(あなたは素晴らしいアーティストね)” と言う替わりに“I noticed you kept working on your picture until you got it just how you wanted it.(君がやりたいようにできるまで努力し続けたのに気づいたよ)”と言ってみてください。

 

2. “What do you think about your work?” 自分の作品(ワーク)についてどう思う?

モンテッソーリでは子どもは自分自身の先生です。教師は子ども達を導くためにいますが、選び抜かれた環境とマテリアルから実際に物事を発見していくのは子ども自身です。

自己分析はその発見の大きな一部です。

もし子どもが自分が描いた絵を好きかと聞いてきたら、「大好きよ」と答えるのではなくその子自身はどう思うか聞き返してみてください。子どもがどう考えるか、なぜその色を使ったのか、そしてどこが一番のお気に入りかなど。周りの人の承認を得るのではなく、自分自身で自分の作品(ワーク)を評価できるように促してあげるのです。

 

3. “Where could you look for that?” どこを探せば見つかるかな?

”自立する”ということはモンテッソーリの学校や家庭においてとても大切な鍵です。教師のゴールは子ども達が自分で自分のことができるようになるように導くことです。子どもの問いに対して単にどうすればよいか答えをあげる方が簡単な時もありますが、子どもからの問いを新たな問いかけで返すようにします。例えば“Where could you look for that?(どこを探せば見つかるかな?) とか “Which friend could you ask for help?(どのお友達に聞けば分かると思う?)”などです。

もしあなたの子どもが靴を無くしたと言っていて、でもあなたからはその靴が見えているとしたら、すぐに靴を渡さずに子どもが自分で靴を見つけられるような問いかけをしてみてください。

“Where were you when you took your shoes off?(どこで靴を脱いだ?) Have you checked your room?(部屋は探した?)

 すぐに靴を渡してあげるより時間はかかりますが、自分で探すという行動を取れるようになり、このような問いかけを続けることにより親が手伝うことが少なくなるでしょう。

 

子どもの可能性をより伸ばすには

今日は言葉がけを3つほどご紹介しましたが、いかがでしょうか?

モンテッソーリの教育者の記事としてご紹介していますが、私がアメリカのレッジョの学校やポジティブペアレンティングの育児セミナーなどで聞いてきた内容と重なる点が多々あります。子どもの可能性を信じ、それをより伸ばしていくという点では教育アプローチの違いこそはあるものの、根幹は同じだと感じています。

この中でも特に私が実践しなくてはと思ったのが2つ目の「周りの人の承認を得るのではなく、自分自身で自分の作品(ワーク)を評価できるように促してあげる」という点。レッジョの学校でも子どもの作品に対して“I like it”などの評価はしないようにとよく言われました。それを言うと子ども達はママが好きだと思うもの(色)ばかり作るようになるからと。 

次回はあと4つほどの言葉がけをご紹介いたします。

 
Mutsumi Paterson(ムツミ・パタソン)
 
 

 


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