先日行われたセミナー「ロサンゼルス発 進化/深化するレッジョ・エミリア・インスパイア実践‐子どもの可能性を引き出す21世紀型教育アプローチへのヒント‐」は、日本の教育界の多くの方にお越しいただきました。アメリカ有名幼稚園Evergreen Community Schoolの創設者アリース・アイヴィさんが、独自に開発した教育アプローチのキーとなるコンセプトを、日本の教育者の方達に紹介して下さいました。日本には今までなかった発想ということもあり、講演の内容は予想以上に多方面からご好評頂きました。
3時間の講演と3時間のワークショップでしたが、本当に内容が濃く全てはお伝えできませんが、行きたかったけど都合がつかず来れなかったという教育熱心なママ・パパ向けに、お家で実践できる形に置き換えて簡単にご紹介させて頂きます。

①子供との会話は「何でだろう?」から始める

以前のブログでもご紹介していますが、レッジョ・エミリア・アプローチでも頻繁に出てくるフレーズ「I wonder why?」(「何でだろう?」)。大人が子供の疑問や質問に”回答する”のではなく、”一緒に考える”ことが、子供の考える力に加え想像力を養うために必要です。
子供が「なんで○○○なの?」と質問してきたらチャンスです。「○○○だからだよ」と答えを教えるのではなく、「何でだろう?」「何でだと思う?」と問い返してください。この時、例えお子さんが事実と異なる突拍子もない事を言ったとしても、決して否定はせずそれに対してまた質問してください。事実を正す必要はなく、お子さんの空想の世界の話にもとことん付き合うことが重要です。質問する時は、本当にママ/パパも分からないという気持ちで質問し、子供と同じ目線に立って考えることがポイントです。
本来子供にとっては、こうやって日々他者と議論を構築していくことが、思考力・さらには21世紀を生き抜く力を養うために必要です。日本の幼稚園の環境ではなかなかそうゆう機会がないかもしれませんので、是非ご家庭でそのような考える習慣づけしてみてください。

②一問一答になる質問の仕方はなるべく避ける

子供たちにとって本当に必要なことは、答えを知る事ではなく、考える事です。21世紀を生き抜く「素質」を子供に身につけさせるには、とにかく子供が塾考する機会を与えることが、私たち保護者の役割。そこで重要となってくるのは、私たち保護者の”問いかける力”です。どんな質問をするかが大事です。アリースがお話していた一部しかここでは紹介できませんが、ポイントとしては、答えが一つの単語で終わってしまうような直接的な質問をしないこと。
例えば、
親「この色は何色?」ー 子供「赤」
親「木の葉が落ちるのはどの季節?」ー 子供「秋」

というような、一問一答の質問は、子供は頭の中の決まった場所から答えを引っ張ってくる作業しかしないので、深く考えている事にはなりません。この一問一答で答えられる答えは、今でいうネットで検索できてしまう知識。このような知識はいつでも身につけられるので、非常に重要とされる幼児期に身につける必要はないとアリースさんは唱えます。一問一答の答えと違い、”深く考える”訓練は、”未来を切り拓く力”に繋がります。 私たち保護者もそのような質問力を身につけることが必要となってきます。

③親はプロブレムメーカーであれ

親が”プロブレムメーカー”になるという発想自体に「?」と疑問が沸くかもしれません。私たち親にとっては、むしろ子供がプロブレムメーカーで大人はそれを正したり片付けたりするのが勤め。そう考えてしまいがちですが、ここで言うプロブレムメーカーとは、”問題を提起する人”。上記でお話しした思考力を子供達が養うためには、「問題」は歓迎すべきことで、私たち保護者はそれを見つけるたびに子ども達と共有し一緒に考えることが大事です。
アリースさんが、「いい先生というのは、プロブレムメーカー。問題を見つけてそれをカリキュラムにするのが先生の仕事」と言っていました。「これは困った。どうしたらいいと思う!?」という課題を、ママ/パパの我々が敢えて見つけてきて、子供に問いかけとして投げかけてみましょう。子供を週末どこに連れて行こうかと色々調べて商業的な場所に行くよりも、こんな質問をきっかけにお家で親子で取り組むプロジェクトを始めるのも、有意義な週末の過ごし方かもしれません。

アリースさんの講演は目から鱗な話ばかりで、ここに全てを書ききれないのは残念ですが、上記にあげた3つのポイントだけでも、親である私たちにとって多くの気付きがあるかと思います。子供の教育は学校任せでは決して成り立たづ、家庭教育も非常に大きな役割を持っていることも実感します。子供と親が向き合う時間が大事である反面、働く親としてはなかなか時間が取れない事も悩みの種。でも、仕事で離れている時間が長くても、一緒にいる時は目の前の子供との時間に全力投球することで子供にも確実に変化していくと思います。子供の空想の世界の話も真剣に「聞き」、そして「問いかける」。これを忘れなければ、子供は未来を力強く自分の足で歩んでいけるのではないでしょうか。

Yoshimi Ueda // Tokyo

上田佳美/東京

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