2017.03.26
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2024.05.31
アメリカのベストセラー子育て本に学ぶ、イヤイヤ期の対処法③
Category アメリカの育児法
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「全く効果がない!」というママ・パパのために
イヤイヤ期の子供に悩むママ・パパに向けてお送りしている「アメリカのベストセラー子育て本に学ぶ、イヤイヤ期の対処法」。「The Happiest Toddler on the Block」の作者、アメリカの小児科医ハービー・カープさんが提案するイヤイヤ期対策をご紹介しています。今日は最終回となる第3回目です。(過去記事はこちら→第1回、第2回)
第1回では「子供に自信を持たせること」、第2回では「子供を尊重して向き合うこと」がイヤイヤ期の根本的解決に重要だとお伝えしましたが、それでも「全く効果がない!」というママ・パパのために、カープ医師が提唱するイヤイヤ期対策の具体例を4つ挙げたいと思います。
イヤイヤ期対策①NGワードは「〜しちゃだめ!」
イヤイヤ期の子供への対応で、絶対にやってはいけないこと。それは、「相手(子供)を否定する」こと。目の前で好き放題にぐずり続けている子供を見ると、どうしても「こら!」と怒りたくなってしまうのが人間の本能。でも怒ると子供はイヤイヤを爆発させてしまい逆効果。きっと、「親になる」ことは、本当の意味で私たちが「大人になる」ことなのかもしれません。イヤイヤ期の子供には常に”肯定文”で話すことが鉄則です。「〜しちゃだめ!」ではなく「〜をしよう」と促します。子供が興味を持ちそうな他の選択肢を提示してあげることも大事です。
私もこれを娘に実践してみましたが、特に私が”楽しそうに”新しい選択肢を提示した時は、娘の興味は面白いくらい新しいものに向いてくれて、うまく気をそらせることができました。
また、ぐずる子を前にして「〜ちゃんは悪い子だな」と子供自身を否定したり批判することもNGです。子供は感情が大人以上に敏感なので、自尊心が傷つきやすい。人前で子供を怒って子供に恥をかかせたりすると、子供の感情は爆発し逆効果になってしまいます。
イヤイヤ期対策②子供が欲しがる時は、「リミット」を設けた上で与える
子供がぐずる時の定番。それは、「(おやつが)もっと欲しい!」。子供の健全な発育のためにも、規則正しいは生活は重要。特に、おやつの量やそれを与える時間を気にかけるママパパは多いと思います。子供はみんなおやつ大好き。いつでもどこでも「もっともっと」とねだります。ぐずってしょうがない時は、ママパパ側の事情もありますが、言ってだめならまず「少しだけあげる」ことが重要です。ここで重要なのは、ちゃんとリミットを設けること。リミットを設けなければ子供の要求にきりがなくなってしまうからです。カープ医師は次にように言っています。
子供が「もっともっと欲しい」と求め続けてしまうのは、親が設ける”リミット”に一貫性がないから。だから親はまず”リミット”を設定することが必要です。親の設定するリミットが明確で揺るがないものであれば、子供もすぐギブアップしてそれ以上求めなくなります。
リミットを設定するポイントとしては、
①リミットは合理的である
②リミットは短くシンプルで一言で伝える
③一貫性を持ってリミットに執着する
④リミットを提示する時は、厳しい口調で言う
これを読んで、確かに私の提示する”リミット”に一貫性がなかったことに気付きました。「夕飯前にはお菓子は絶対だめ」という日もあれば、イヤイヤ言う娘に折れて「クッキー1枚ならいいよ」という日もあったり。これでは娘もどこで要求をやめるべきか分からず限界がなくなってしまいます。カープ医師いわく「微笑んだり優しすぎる言い方は子供を混乱させる。伝えたいメッセージは一つにする」ことが大事だそうです。
イヤイヤ期対策③子供と親との関係を常にWin Winにする
カープ医師は、親と子供の関係も「公平さ」を持つことが大事だと言っています。この点は私にとっては新しい発想でした。親は子供に”教えるべき”だと思いながら接していたので、大事なことは”厳しく”伝えないといけないと信じていた部分がありました。
でもカープ医師はこのように言っています。
「子供のどんな主張もまずは受け入れた上で、親も子供も”Win Win”になる解決策を見つけるべきです。例えば歯ブラシなど、子供が嫌がることは絶対に無理矢理やらない。子供は最初から大きなステップは踏めないんです。なので、小さいステップを設けて徐々にそれに近づけていけばいい。」
”Win Win”とは、簡単に言うとお互いが相手の提供するものに満足すること。親も子供も対等に納得することを目指すべきとカープ医師は言っています。恥ずかしながら私は、子供が嫌がる時に「やらなきゃダメよ」と言って無理矢理やらせていたことも多々ありました。「やりたくないならやらなくていいよ」では甘やかしになったり、いつまでも出来るようにならないと思っていたからです。でもまずは「子供のやりたくない」を受け入れることが、イヤイヤ期を平和に過ごすための第一歩。子供の「いや!」という気持ちを否定してはいけないようです。
さらに、嫌がる子供が納得するように、カープ医師は次のようなコツを教えてくれました。
「まずは親があまり譲歩しない案(”親の主張”と”子供の主張”が9:1くらい)を子供に提案してみましょう。それに対して子供が、”親の主張”と”子供の主張”が3:7くらいを主張してくる。そしたら、5:5で受け入れてあげる。まさにビジネスやお金の交渉と同じなんです。子供は、自分の主張が受け入れらるようになれば、少しづつ相手に譲歩するようになるのです。」
まさか子供との関係に置いて、ビジネスの「Win Win」の関係が成り立つとは思っていませんでした。このように考えると、イヤイヤ期対策が根本から変わってくるように思います。私の娘のイヤイヤ期が改善されたのも、私がこういった思想に切り替えてからです。
イヤイヤ期対策④最後の手段「(愛情を持って)放っておく」
上記3つを試してみたけれど「それでもうちの子はイヤイヤが収まらない」「全く埒が明かない」というママ・パパもいるかもれしません。そんな時は、「”愛情を持って”放っておく」ことが良いようです。
ここで大事なのは、必ず「愛情を持って」放っておくこと。愛想を尽かして、「もういい加減にしなさい!」と子供を”無視”してしまっては逆効果。子供は右脳が非常に発達しているので、私達の微妙な怒りの感情も感じとってしまいます。
上手に放っておく手順として、カープ医師は次のように言っています。
「上手に放っておくためのステップ」
ステップ①子供を尊重する。子供の怒りや悲しみを受け入れ、悲しいよね、いやだよねと子供の感情を代弁してあげる。
ステップ②「好きなだけ⚪︎⚪︎(ぐずる行為)していいわよ。ママは向こうに行ってるね。」と優しく伝え、しばらく放っておく。
私も娘達にお手上げの時は、もう勝手にしなさい!と言って放って置きますが、なかなかできないのが①のステップ。このステップを踏まずに「放って置く」だけやっていては効果が現れません。
そして、この後にも大事な事が一つ。ステップ②の後に子供がぐずりをやめたなら、子供のそばに戻り子供の感情を再度代弁してあげる。「いやだよね、悔しいよね。」と。その後に一息置いて、親が伝えたいメッセージをもう一度伝えること。ハグをしたり一緒に遊んだりして愛情表現をしながらこの一件を終わらせることで、子供にとってこれが前向きな記憶として残ります。
つまり、愛情のサンドイッチ。優しく受け入れ、引き離し、また受け入れる。
①②をやってもまだぐずる場合は、子供のぐずりが落ち着くまで①②を繰り返す。ぐずりがひどい場合は放っておく時間を長くすることが良いそうです。
まとめ
以上がイヤイヤ期対策の最後の手段となります。親になるというのは、本当の意味で私たちが大人になること。そう改めて実感しました。子育てをしながら実は親も学んでいる。素晴らしい親になるには、私も人間として向上せずには成り立たないと感じ、日頃の自分に反省もしました。親として、大人の女性として、もっと大きな器を持ってどっしりと構えて生きていきたいなと思うのですが。。。
ママの笑顔は子供たちの笑顔!今回の「イヤイヤ期対策」3部作が、ママと子供たちの笑顔に繋がることを祈っています!
Yoshimi Ueda // Tokyo
上田佳美/東京
上田 佳美
慶應義塾大学卒業。20代でウォルト・ディズニー・ジャパンに入社。モバイルコンテンツのプロデューサーとして従事し、ディズニーの “最高のモノづくり”、”最高のチームを作る ” 文化に多くを学ぶ。その後映画業界で、世界で認められる日本人のクリエイター達と出会い、日本人の創造性に興味を持つ。2016年レッジョ・エミリアのアプローチと出会い衝撃を受け、サマースクールなどの開催を経て、2019年東京・中目黒に本格的なレッジョ・アプローチを目指すKodomo Edu International Schoolを創設。
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