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2023.06.02
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2017.04.03
Category レッジョ・エミリア アプローチ
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レッジョ・アプローチの大ベテランの先生と面白い会話をしました。本家イタリアのレッジョ・エミリアではレッジョ・アプローチの学校は高校まであるそうです。ロサンゼルスではたいていはプリスクールまで。小学校以降も子どもが主体となるプログレッシブ教育を続けることはできますが、それは主に私立の学校になるので全ての子どもが進学できる訳ではありません。私の疑問は「こんなに素晴らしいアプローチを幼児期に経験して、でももし小学校以降は続けられないとしたらどうなるんだろう」ということ。
そんな悩みを相談したら、先生はこんな話をしてくれました。
以前うちのプリスクールを卒業した男の子がいてね。小学校以降もできればプログレッシブ教育を続けられたらと願っていたんだけど、色々な理由でそれは難しくて、近所の一般的な公立小学校に進んだの。ある日何かのイベントでプリスクールを訪ねてきてくれて、その時に彼に「小学校はどう?」って聞いたの。そしたら彼は悲観するわけでも誰かを非難するわけでもなくこう言ったの。
It’s ok. It’s just that they don’t have great ideas like me! (まぁまぁかな。みんな僕みたいにすごいアイデアがないんだ!)
レッジョ・エミリアアプローチのプリスクールでは、先生から何かを教えられるという受け身の教育ではなく、いかに自らが発想力を持ち、それを周りと協力して実践・改善していくかを学びます。どうやら5歳までに培ったその思考回路は、例え周りの環境が変わってもなくならないようです。
人間の脳が一番大きく発達するのは生まれてから5歳頃までという研究がされています。その時期にどういう経験をするかにより、その子の持つ無限の可能性が変わってくると考えられています。
この男の子の発言を聞いて確信しました。レッジョ・エミリアアプローチの幼児教育を通し、子ども達が”Great ideas”(素晴らしい発想)を一生持ち続けられる土台作りができること。そしてそれが一生続いていくギフトになるということを。
Mutsumi Paterson // Los Angeles
ムツミ・パタソン(ロサンゼルス)
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