2017.10.08
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2024.04.10
レッジョ・エミリアアプローチにおける教師の役割
Category レッジョ・エミリア アプローチ
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レッジョ・アプローチとは?ー教育方法の概要
レッジョ・アプローチとは、子ども達の好奇心を引き出し、共に探究することでその子本来の才能を育むイタリア発祥の教育法で、世界最高峰の幼児教育の1つとして、GoogleやDisneyの米国本社の社内幼稚園でも採用されている教育アプローチです。
従来の教育との違いは、子どもが「自ら考えて行動する」主体性を育むこと。1つのテーマに長期的に取り組んだり、身近な自然に触れ、自由な発想で表現するなど、さまざまな形で個々の可能性を伸ばします。
レッジョ・アプローチの創設者、ローリス・マラグッツィは「子どもには100通りの言葉がある」と残しています。全ての子に違った表現方法があり、それぞれの考え方や遊び方、そして個々に違う才能があります。それらを育て、子どもの可能性を花開かせるための体現的な学びがそこにはあります。
レッジョ・アプローチを通して身に付く力
私たちが運営するKodomo Edu International Schoolでは、レッジョ・アプローチを通して子ども達が
”AIと共存する時代”に身に付けるべき能力を育んでいます。
では、”AIと共存する時代”に身に付けるべき能力とはどのような能力なのでしょうか?Kodomo eduが考える、幼少期から育むべき素養は、下記の3つです。
ー幼少期に育むべき力①「好奇心」
まずは、何よりも「好奇心」。
好奇心がないと、ワクワクしながら長期にわたって学び続けることができません。好き嫌いは人それぞれありますが、小さい頃から”トキメキのスイッチ”をたくさん押してあげると、どんな小さなことにも面白みを感じ、興味を持って前向きに取り組む姿勢が養われます。
ー幼少期に育むべき力②「Grid(諦めない力)」
トキメキのスイッチを押したら、それを時間をかけて探究することが大事です。つまづいたり、壁にぶつかってもOKです。諦めずに工夫したり、時間が経ってからでも挑戦しなおしたいと言う、諦めない力を育てたいと思っています。
探究は、子ども一人でやるよりも、友達と、先生と、ママ・パパと、他者と関わりながら学んでいく方が、知識も深まり、ソーシャルスキルも身につきます。探究の過程で、サポートする大人が大事にすることは、”子どものペースを大事にし、無理矢理やらせない” ”前向きに応援し、新しい視点を投げかけてみる” ということです。
無理に頑張らせ続ける必要はありませんが、子どもにちょっと気づきのヒントを与えてあげる。大人の適切なサポートがあることで、Grid(諦めない力)が育まれます。
ー幼少期に育むべき力③「創造力」
「創造力」というのは、一瞬にして素晴らしい作品を生み出す能力ではなく、こういった探求のプロセスを繰り返すことで育まれる、新しいモノや考えを生み出す力です。創造力は、特別な人だけが生まれ持った才能ではないのです。時間をかけて養えば、誰でも育める力です。興味を持ったことを探究し、試行錯誤を繰り返しながら少しづつ前に進む。その過程で、自分なりの仮説を何度もやり直すうちに、今までなかった新しいアイディアに出会うことができるのです。
ただ、複数の”失敗”を乗り越えないと、育むことができない能力でもあります。幼少期から「失敗を”失敗”と捉えず、あくまで何かを作り上げる過程の一つに過ぎない。」そう捉えられる心構えが、「創造力」をより豊かに育む土壌となります。
代表される3つの力、①「好奇心」②「Grid(諦めない力)」③「創造力」を幼児期から育めるのが「Kodomo eduのレッジョ・アプローチ」ですが、これらのプロセスには子どもたちをサポート・リードしていく”教師”の存在が非常に重要です。
レッジョ・アプローチにおける教師の特徴
レッジョ・アプローチの学校では、保育士の他にアトリエリスタとペタゴジスタ、もしくはそれを両方受け持つ先生がいます。
”アトリエリスタ”は美術専門の教員で、クラスの中で使われるさまざまなマテリアルを選定して、子ども達の創造性や美的感受性を伸ばす支援を行います。
”ペタゴジスタ”は子どもの教育専門家として、子ども達の行動を観察、子どもが持つ興味を次にどう発展させていくかを引き出すにはどうしたらよいか、他の先生をまとめていくリーダー的な役割です。
それぞれの専門性を活かしながら、深い洞察力と子供の知識やスキルをさらなる上のものに導いていく力を持った先生たちが協働しながら、クラスを子どもたちと共に作り上げていきます。
レッジョ・アプローチ実践における教師の重要性と役割
それでは実際にレッジョ・アプローチの中での教師の役割はどのようなものなのでしょうか。代表的な4つの役割をご紹介します。
ー 子どもの頭の中にあるアイディアを引き出すために、対話を重ねる
レッジョアプローチでは、子ども達との対話を通じて興味を掘り下げ、より興味が広がるようなプロジェクトを教師が企画し導いていきます。積極的に自分のやりたいことを伝えられる子もいれば、そうでない子もいるため、毎日の対話を大切に重ねていくなかで、一人ひとりの興味・個性を理解していきます。
ー 1人ひとりに合った「チャレンジ」を与える
子ども達はスクールの中でさまざまな挑戦をしていきます。例えば、レッジョアプローチのスクールでは、2歳の子どもも「縫い物(Sewing)」を行う場合が少なくありません。日本の保育園では、なかなか未就学の子ども達に針を持たせることは珍しいケースですが、レッジョアプローチでは「子供の限界を決めつけず可能性を信じること」にフォーカスし、縫い物に興味を持った子ども達には積極的にチャレンジをさせます。
しかし、そのようなチャレンジをしていると、子ども達にとって「できないこと」が必ず途中で出てきます。そのような時は、「どうしたらいいかな?」と問いかけをして子どもたちに一度考えさせたり、やり方を見せながら教えたりと、子どもの興味や知識をより深めていくようなアプローチを個性に合わせて行います。
ー 自ら思考したり想像したりできる環境を与える
レッジョ・アプローチは、使う教具に一つの目的を持たせない「オープン・エンド・マテリアル」を使います。例えば、レッジョ・アプローチと比較されやすいモンテッソーリで使われる教具は「一つの目的のため」に作られています。そのため正しい使い方も一通りで、先生側が期待することを、子ども達は学んでいきます。
一方レッジョ・アプローチの教具は、子ども達の想像力によっていくらでも形を変えることのできるマテリアルを使用します。子どもによって得意なマテリアル、苦手なマテリアルは違うため、「ブロックよりも粘土の方が好き!」という子どもであれば、好きな粘土の方が集中でき、アイディアも色々と湧いてきます。
子どもの可能性を引き出すには、大人の適切な観察のもと、子どもが様々な体験をし、その中で自ら思考したり想像したりできる環境を与えることが重要です。そのような環境を通して子供は体験からさまざまなことを学んでいきます。
ー レッジョ・アプローチにおける教師と子どもの関係性
レッジョ・アプローチのスクールでは、教師と子どもの関係性は平等であり、ともにプロジェクトを進めていくパートナーであるとされています。
アメリカ、ロサンゼルスにあるレッジョ・アプローチを取り入れた幼児教育を行うEVERGREEN COMMUNITY SCHOOLのBecca先生は下記のように教師と子どもの関係性について言及しています。
”例えば子供が絵を描いたとします。それはただの線や丸で正直何を描いてあるかはわからない絵。しかし教師は「すごいね」「よくできたね」といった短い褒め言葉をかけたり、教師の予測で子どもが描いたものを一方的に決めて声かけをしてしまう場合もあるでしょう。そのような言葉に対して、実際に子どもたちは喜んでいないのです。教師自身が子どものようにその絵や相手に対して興味を持ってみる。そうすると子どもにかける言葉は大きく変わってくると思います。その際には、興味を持っているフリをしてはいけません。子どもに対して可能性を心から感じていることが非常に重要です。”
子どもにかける言葉は、教師が子どもとどのように対峙しているか、その姿勢によって大きく変わってきます。レッジョ・アプローチを行う教師はマインドセットから異なるのです。
レッジョアプローチの実際のプロジェクトの様子
今回載せている写真は、KodomoEduのうちのプリスクールで行ったプロジェクトです。7ヶ月かけて、人形のためのブランコを作りました。作ろうと言い出したのは、子どもたち。当時2歳〜6歳の子ども達が協力して、最初から最後まで自分たちで作りました。
先生は全く手を入れていません。道具の使い方を教えて、手を添える程度。ドリルで穴を開け、釘で止める。そうした全てのプロセスを子ども達だけでやり遂げました。
何度も失敗し、作っては壊れての繰り返し。でも、先生ではなく「子ども達」が諦
めなかった。「絶対に完成するまで作る。」そしたら先生は、続けるしかないんですね(笑)
子どもは、大人が信じればものすごい力を発揮します。
レッジョ・アプローチでは、子どもの可能性を信じてさまざまなチャレンジの機会をつくったり、興味・関心が広がる環境を提供します。
私たちKodomo Edu International Schoolは、全ての子ども達の可能性を信じているので、数年間で大きな変化を遂げて卒園していきます。先生、そして保護者が共に、その子の可能性を信じてあげることが何より重要なのです。
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