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2017.06.23
教育の価値観を変える校長先生の手紙
Category 海外の教育
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試験前に校長が保護者へ送った手紙
シンガポールの高校での実話です。これは校長先生が試験前に保護者に送った手紙。全ての保護者の方にみてもらいたいビデオです。そして全ての学校と社会がこのような考えを認められるようになれば、もっと子どもが子どもらしく、子どもが生まれながらにして持つ本当の力が発揮される社会になるのではないでしょうか。ビデオの下に和訳を載せますが、短い英語のクリップなのでぜひ見てみてください。
Dear Parents,
The exams of your children are to start soon. I know you are all really anxious for your child to do well.
But, please do remember, amongst the students, who will be sitting for the exams, there is an artist, who doesn’t need to understand Maths.
There is an entrepreneur, who doesn’t care about History or English literature.
There’s a musician, whose Chemistry marks won’t matter.
There’s a sportsperson, whose physical fitness is more important than Physics..like Schooling
If your child does get top marks, that’s great! But, if he or she doesn’t, please don’t take away their self-confidence and dignity from them.
Tell them it’s OK, it’s just an exam! They are cut out for much bigger things in life.
Tell them, no matter what they score, you love them and will not judge them.
Please do this, and when you do, watch your children conquer the world. One exam or a low mark won’t take away their dreams and talent.
And please, do not think that doctors and engineers are the only happy people in the world.With Warm Regards,
The Principal
保護者のみなさん
子ども達の試験が近づいてきました。きっと子ども達が良い点数を取れるかどうか心配なさっていることでしょう。
どうか覚えていてください。生徒達の中には数学を理解しなくてもよい芸術家がいるということを。
起業家は歴史や国語をあまり気にしないということを。
化学の点数は関係がない音楽家がいるということを。
物理よりも自身の体が大切なスポーツマンがいるということを。
もしあなたの子どもが良い点数を取ったらそれは素晴らしいことです。でももしそうでなくても、どうか彼らの自信と尊厳を損なわないでください。
どんな点数を取ってもあなたが子どもを愛しているということ、そして試験の点数で子どもを判断しないということを伝えてあげてください。
どうかこれを実行して、そして自分の子どもが世界で活躍するところを見守ってあげてください。
たったひとつの試験や低い点数が子どもの夢や才能を奪わないように。
どうかドクターやエンジニアだけが幸せな人間なんだと思わないでいてください。
校長より
生涯に渡る学ぶことへの愛を育てる
私は日本で人並みに受験戦争を経験しました。中学・高校・大学と3回ほど受験しましたし、受験に向けて猛勉強(猛暗記?)した記憶があります。家庭にはそれぞれの価値観があるのであくまでも私の経験と考えですが、私は自分の子どもには私と同じような勉強の仕方をしてほしくないと思います。なぜならばそれは学ぶことへの愛や関心を薄れさせてしまうから。ここカリフォルニアでレッジョの学校をいくつも見ていますが、どの学校も言うことは大切なのは“cultivate life long love for learning”. 生涯に渡る学ぶことへの愛を育てること。
先日、幸運なことにカリフォルニアのピクサーアニメーションスタジオを訪ねる機会に恵まれ、世界のトップクリエイター達が働く場所を見ることができました。そこで感じたのは本当に好きなことを追い求めているのだということ。もちろん仕事ですから苦しい場面がないとは思いません。でもそれ以上に、自分が愛することを見つけそれを追い求める精神を持ち続けること、そしてそれがどれだけ価値のあることかということを肌で感じました。試験が不要だとは思いません。ただ、自分の子ども達には「試験の点数が悪い=自分はダメなんだ」という思いは絶対にさせたくない。世界にはそれ以上に価値のあることが溢れているから。
そしてどのような価値観を子どもに与えるかは親にかかっていると思います。とても大きな課題ですが、小さな子ども達には選択する目や力がまだないのです。どのような教育を選ぶか、どのようなライフスタイルを作っていくかは私たち次第なのです。
Mutsumi Paterson // Los Angeles
ムツミ・パタソン(ロサンゼルス)
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