グループによるプロジェクト活動

レッジョアプローチは子どもの意思や個性を尊重します。子どもとの対話を通し、子どもが持つ潜在能力、表現力、コミュニケーション能力、自ら考える力などを養います。レッジョの大きな特徴のひとつとして、グループワークがあげられます。

レッジョにおけるプロジェクトは、先生が例えば月ごとのテーマを提示するのではありません。先生が子ども達を観察し、子ども達との対話の中から、子ども達の興味を引き出していくことによりプロジェクトが生まれます。

子どもの興味に沿い進められるプロジェクト活動

私の娘のプリスクールでは、ある日ある子どもが鳥に興味を示したことからミーティングが行われ、同じく鳥に興味がある子ども達が集まり、”バードプロジェクト”が発生しました。先生は鳥の図鑑を学校に持ってきました。そしてまず各自鳥の絵を描きました(水彩であったりパステルであったりと、これだけでも相当の時間を費やしていました)。その後グループで一枚の大きなキャンバスを使い、大きな絵を制作しました。何をどこにどう描くかは先生の指導ではなく、生徒の意思に任されています。

子ども達の興味はさらに発展していきました。次は二次元の世界を三次元で表現することにしました。使われたのはワイヤー(針金)。空を飛ぶ鳥を見て、そして図鑑を見ながら、針金を使い立体的に鳥の羽を表しました。ここでも数日間かかっています。子ども達が納得するまで。


ワイヤーで羽ができたあとには、またミーティングが行われ、羽の上に何をかぶせるのがよいかを子ども達は話し合いました。選ばれたのはメタル(アルミホイル)と紙とプラスチック(ビニール袋)。そしてその仮定を検証するために子ども達はまたアートスタジオに戻り、制作作業が続きます。先生は答えを出しません。子ども達のやり取りは続きます。「アルミホイルはワイヤーに付けるのが簡単だったのに、紙は難しい、アルミホイルを付けた時とは違うテープが必要?」などなど・・・。子ども達は自分で考え、できるまで、納得いくまでやり続けます


まさしく、以前のYoshimiのポストにあった、「Plan(企画を立てる)⇨Do(実際にやってみる)⇨Check(検証する)⇨Act(改善する)」です。
そして子ども達が羽を完成させた後は、バードプロジェクトに参加しなかった他の子ども達への”プロジェクト発表”が行われました。

高いスキルが必要とされる、レッジョの先生による導き

これはグループによるプロジェクト活動の一例で、クラスルームではこのような取り組みが常に行われています。これらのプロジェクトを、生徒の興味に沿ってリードしていくのはレッジョの先生達。先生達は決められたカリキュラムを教えるのではないため、相当の高いスキルが必要です。

長い時には何ヶ月もかけて、子ども達の興味に沿いながら、進化をしながらひとつのプロジェクトが行われます。幼稚園年齢の子ども達が、自主性を持ち、交渉しながら、協調していく姿は見事としか言いようがありません。チームワークをこういう形で幼児の時に身につけるというのは理想的な形ではないでしょうか。「決められた時間内に、出来るだけ早く、効率よく覚える」という学習の仕方とは大きく異なることがお分かり頂けるのではと思います。

子ども達のプロジェクト活動の具体例は今後もブログでご紹介してまいります。

Mutsumi Paterson // Los Angeles

(ムツミ・パタソン/ロサンゼルス)


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